驚異の抗酸化力トコトリエノール

万病のもと「活性酸素」を抑えるスーパービタミンE

矢澤 一良 著 2000.08.10 発行
ISBN 4-89295-409-8 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


スーパービタミンE

驚異の抗酸化力トコトリエノール

体の潤滑油
トコトリエノールの説明に入る前に、ビタミンの役割について簡単に触れておきます。というのも、トコトリエノールという物質も、数多いビタミンの中の一種だからです。
私たちの体は、いわゆる三大栄養素(炭水化物・脂質・タンパク質)をエネルギー源として利用しています。
このとき生じる化学反応を調整したり、タンパク質や無機質を体の構成物質として使うときに補佐をするのがビタミンです。いわば体の潤滑油といった役目を担っています。
ビタミンは人体内では合成できない栄養素なので、随時、食物などから補給しなければなりません。
ビタミンが不足すると、体内での生体化学反応が円滑に進まなくなったり、生体維持物質が十分に作られなくなるために、体に障害を招くことになります。いわゆるビタミン欠乏症を引き起こすことになるのです。たとえば脚気などは、ビタミンB欠乏症の一例です。

ビタミンEに属する
ビタミンは大別すると、水溶性のものと脂溶性のものとがあります。
ビタミンB、B、B、B12、ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、葉酸、ビタミンCは水溶性で、ビタミンA、プロビタミンA、ビタミンD、D、D、E、K、Kは脂溶性です。
本書で述べるトコトリエノールは、このうちビタミンEに属していますが、ビタミンEの効能を持ちながら、それを超える働きが期待されることから、スーパービタミンEとも呼ばれています。
そう称される根拠についてはのちほど詳述することにして、ビタミンE自体の発見は古く、一九二〇年代にまでさかのぼります。三〇年代からは実際に使用されてきており、健康食品ブームの続くアメリカでは、いまなお人気のトップ。
こうした状況を背景に、アメリカではここ二年間のうちに、ビタミンE、とりわけトコトリエノール含有の健康食品が幅広く出回り、圧倒的な支持を受けています。

ビタミンEの働き
 ビタミンEにはさまざまな働きがありますが、主なものを列挙すると、つぎの通りです。

・体の中のビタミンAなどの酸化を防ぐ
・必須脂肪酸の過酸化を防ぐ
・赤血球の溶血を防ぐ
・筋肉の萎縮を予防し機能をよくする
・細胞膜、細胞質の機能を強化する
・老化防止に役立つ
・生殖機能を正常に保ち流産を防ぐ

 したがって、ビタミンEが不足すると、

・過酸化脂質ができやすくなる
・生体の生理活性が弱まる

などの症状を引き起こすことになります。他のビタミン同様、体に不可欠なビタミンE、その中でいまもっとも注目を浴びているトコトリエノールについて、以下、述べていくことにします。


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