驚異の抗酸化力トコトリエノール

万病のもと「活性酸素」を抑えるスーパービタミンE

矢澤 一良 著 2000.08.10 発行
ISBN 4-89295-409-8 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


ガンの増殖を抑制する

驚異の抗酸化力トコトリエノール

乳ガン細胞の増殖を抑えた
現在、日本人の死因の第一位を占めるガンも、ストレスと関係の深い病気です。トコトリエノールは、このガンに対しても大きな効果を発揮します。
まずは、マレーシアのパームオイル研究会(PORIM)の Nesaretnam らの実験を紹介しましょう。
この実験は、乳ガンの培養細胞に、従来のビタミンEとトコトリエノールの高濃縮物をそれぞれ添加し、ガン細胞の増殖や成長、腫瘍の形成に及ぼす影響を見るために行なわれました。
その結果、トコトリエノールの高濃縮物は、180μmol/l という濃度で、ガン細胞の増殖を50%抑えることが明らかになりました。
ちなみに、従来のビタミンEは1000μmol/l 添加しても、まったく効果を示さなかったということです。




期待される制ガン作用
このほかにも、トコトリエノールの制ガン作用を示す研究データは多く、たとえば、抗ガン剤とトコトリエノールの併用で、乳ガン細胞の増殖が相乗的に抑制されたとか、トコトリエノールを投与したネズミは、そうでないネズミに比べて、発ガン剤による肝臓ガンの発現が小さかったなどの報告もあります。
果たして、トコトリエノールのどのような作用がガンの増殖抑制に働くのか、そのしくみはまだ明らかにはなっていません。しかし、ガンに対する決定的な治療薬が現われていない現在、トコトリエノールの効果は頼もしいかぎりといえそうです。

体の疲れを癒す
ストレスと関連して、もう一つ付け加えるなら、トコトリエノールには、体の疲労を和らげる効果のあることも報告されています。
体の疲労度を調べるには、血液中に含まれる乳酸(疲労物質)の量が一つの目安となります。
つまり、血液中の乳酸の量が多いほど、疲労の蓄積が激しいことを示しますが、トコトリエノールを与えたネズミは、運動を負荷しても乳酸値の上昇は低く抑えられ、また疲労の回復も早いことが実験で明らかになりました。
実は、乳酸の増加も、活性酸素が関与して起こると考えられているので、これもやはり、トコトリエノールの抗酸化作用の成果と見ることができます。


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