α−リポ酸で代謝促進、酸化と肥満に勝つ

ダイエットとアンチエイジングを進める抗酸化ネットワークの要

矢澤 一良 著 2005.04.29 発行
ISBN 4-89295-603-1 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


強力な抗酸化力をもつ優れもの

α−リポ酸で代謝促進、酸化と肥満に勝つ

さまざまな病気を引き起こしたり、老化を早めたりする原因として考えられているのが「活性酸素」です。活性酸素は人間の体内で自然に作られる物質で、健康を維持する上で不可欠な物質の一つですが、増えすぎると「悪玉」に変身して体に害を与えるという、厄介な性質をもっています。

健康を損なわないためには、そんな活性酸素を過剰に生じさせないようにすればよいのですが、私たちの生活環境そのものが活性酸素を生み出す要因に満ち溢れていることも確かです。

太陽の紫外線はもちろんのこと、クルマの排気ガスや工場の排煙、さらには食品の添加物、残留農薬、それに焼却灰に含まれるダイオキシン、シックハウス症候群のもととなる接着剤や防腐剤。数えあげたら切りがないほどです。

これに加えて、ストレスのたまる生活や不規則な生活習慣を余儀なくされたりすれば、これはもう、潜在的に寿命を縮めるリスクを背負って生きているとしか言いようがありません。

こうした活性酸素の害から身を守るには、それに立ち向かうだけの抵抗力を高めなければなりません。そのためには、栄養のバランスの取れた食事、適度な運動が欠かせませんが、それだけでは十分とは言えません。体内で発生した活性酸素をすみやかに取り除く作用のある物質、すなわち「抗酸化力」の強い物質を外部から積極的に補給する必要があるのです。

抗酸化物質の代表と言えば、ビタミンCやビタミンEが有名ですが、はるか昔から延々と使われてきた生薬(漢方薬)、あるいは、ヨーロッパを中心に広がったハーブ類の生理活性物質、これらの多くもまた、実は抗酸化力に富んでいたからこそ、時代や地域を越えて愛用されてきたのです。

抗酸化物質に関しては、多方面からさまざまな研究・開発が進められていますが、そうした中でいま、特に注目を浴びているのが本書で取り上げるα―リポ酸です。α―リポ酸には、なんとビタミンCの400倍の抗酸化力があると言われています。まさに抗酸化物質の王様と言えるものですが、人間の体内で合成されるα―リポ酸の量は、加齢とともに年々減少するため、活性酸素に起因するいろいろな症状や疾病を、いつの間にか引き寄せてしまうことになるのです。

α―リポ酸は、強力な抗酸化力で活性酸素の活動を阻止するだけでなく、中毒などに対する解毒作用にも優れています。また、糖尿病の諸症状、合併症にも有効であることが明らかになっています。事実、ヨーロッパでは30年も前から、糖尿病の治療薬として使用されてきました。

すでにアメリカでは栄養補助食品として一大ブームを巻き起こしているα―リポ酸ですが、日本でも2004年、食品として認可されました。誰もが手軽に入手できるようになったわけですが、では、このα―リポ酸とはどのようなもので、どんな効能を秘めているのか、本書を通じて少しでも理解を深めていただければ幸いです。


その他の各種ビタミン関連書籍