α−リポ酸で代謝促進、酸化と肥満に勝つ

ダイエットとアンチエイジングを進める抗酸化ネットワーク

矢澤 一良 著 2005.04.29 発行
ISBN 4-89295-603-1 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


エネルギーの生産を高める

α−リポ酸で代謝促進、酸化と肥満に勝つ

生命活動にはエネルギーが不可欠
私たちが生きていく上でエネルギーは絶対に必要なものです。
エネルギーが不足すれば、体を動かすことも、物を考えることも、体を作ることも満足にできなくなります。つまり、生命活動を維持できなくなってしまうのです。
こうしたエネルギーは細胞内で作られています。前述したように、体を構成する約60兆個の細胞の一つひとつが正常に機能してエネルギーを生産するからこそ、健康で活気にあふれた生活を送ることが可能となるわけです。

ミトコンドリアが生産工場
なかでも、細胞内のミトコンドリアという小さな器官が、エネルギーを生産する中心的な役割を担っています。
ミトコンドリアはエネルギーの生産工場ともいうべき器官で、食事からとった糖や脂肪、タンパク質などの栄養素から「ATP(アデノシン3リン酸)」という物質を生成しますが、このATPが分解するときにエネルギーが生じ、それが体温の維持、運動や神経活動などの生命活動全般に利用されるわけです。
α―リポ酸はこの生成過程で重要な働きをしています。その働きとはどんなものか、ATP生成の仕組みを簡単に見てみましょう。

ATP生成の仕組み
私たちが鼻から吸い込んだ空気中の酸素は、肺から血液を経て細胞へと取り込まれます。
また、糖や脂肪、タンパク質などの栄養素も血液に溶けて細胞へと運ばれます。
この酸素と栄養素とが反応してエネルギーの元となるATPを作り出しますが、それぞれの栄養素によって、その過程は異なっているところもあります。
しかし、結局はクエン酸回路や電子伝達系(水素伝達系)といった、エネルギーを生産する一連の反応の中に取り込まれ利用されます。
α―リポ酸は上段の図に示すように、ピルビン酸からアセチルCoAを生成する際、およびクエン酸回路内で補酵素として、ATPの生成に深くかかわっています。

クエン酸回路図

エネルギー生産を高めるα―リポ酸
このように重要な働きをしているα―リポ酸は体内で合成することはできますが、加齢に伴いその合成能力は衰えていくので、不足がちになります。
その結果、ATPが効率よく生成されず、エネルギーも不足がちになり、疲れやすいとか、病気にかかりやすいとか、さまざまな影響が体に現れるようになります。
こうした事態を招かないようにするためには、体の外からα―リポ酸を補給する必要があります。食事からもそれは可能ですが、摂取量としては少なすぎると思われます。
そこで、「サプリメント」(栄養補助食品)を利用することが考えられます。サプリメントには、α―リポ酸の必要量を効率よく摂取できるという長所があります。
α―リポ酸が十分に補給されれば、エネルギーの生産、つまり代謝が高まるので、その効果として、老化や病気に対して強い元気な体を保てるようになってきます。
元気な体を取り戻すためにも、また、健康な体を維持していくためにも、α―リポ酸はまたとないサプリメントと言えるでしょう。




その他の各種ビタミン関連書籍