α−リポ酸で代謝促進、酸化と肥満に勝つ

ダイエットとアンチエイジングを進める抗酸化ネットワーク

矢澤 一良 著 2005.04.29 発行
ISBN 4-89295-603-1 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


合併症の予防・改善に役立つ

α−リポ酸で代謝促進、酸化と肥満に勝つ

糖尿病の三大合併症
糖尿病が真に恐ろしいのは、様々な合併症を引き起こすからです。なかでも腎症、網膜症、神経障害は三大合併症としてよく知られています。
「腎症」では、毛細血管の集まりである腎臓の糸球体がダメージを受けて、血液中の老廃物をろ過する機能に異常が生じるために、たんぱく尿が出たり、老廃物が排泄されなくなったりします。
そうなると、むくみや高血圧の症状が起き、さらに悪化すると腎不全となり尿毒症を引き起こし、人工透析をしなければならなくなります。
この腎症のために、新たに人工透析をする人は、毎年約1万人と言われています。人工透析開始後の5年生存率は50%以下、10年生存率は25%というデータもあります。
「網膜症」では、網膜の血管から出血したり、網膜剥離を起こしたりします。そのため視覚障害を引き起こし、日本人の成人が失明する原因のトップとなっているという現実があります。
「神経障害」では、末梢神経やそれに関係する毛細血管がダメージを受けます。そのため、手足の痺れや痛み、感覚の鈍化、味覚障害、立ちくらみ、発汗異常、便秘または下痢、勃起障害など、さまざまな症状が現れてくるようになります。
さらに症状が進行すると、小さな傷がもとで壊疽を引き起こし、足を切断しなければならないといった場合も出てきます。

動脈硬化により脳梗塞・心筋梗塞に
動脈硬化とは、動脈の血管壁に悪玉コレステロールなどが付着して分厚くなったために、血管が血栓で詰まりやすくなったり、弾力性を失って破れやすくなったりする状態のことです。高血糖は毛細血管ばかりでなく、太い血管にもダメージを与えるので、動脈硬化を促進させます。
動脈硬化が促進されると、さらに血管は詰まりやすくなってしまいます。その結果、脳梗塞や心筋梗塞といった虚血性の脳疾患・心疾患を引き起こすリスクが高まるという憂慮すべき事態を招きます。

α―リポ酸で合併症の予防と改善
活性酸素は動脈硬化、そして三大合併症にも深く関わっています。糖尿病になると、体内で生み出される活性酸素の量が増えることが分かっており、これが合併症を引き起こす原因となっているのです。
したがって、こうした恐ろしい合併症を予防するため、あるいは、不幸にも発症してしまった場合でも、それ以上症状を進行させないためにやるべきことは、α―リポ酸のような抗酸化物質を積極的に摂取して、活性酸素に負けない体を作り、その状態を維持し続けるということなのです。


α−リポ酸の摂取による糖尿病性神経障害の改善度 α−リポ酸の摂取による糖尿病性神経障害の改善度

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