美肌、目と脳を守るアスタキサンチン

活性酸素の害に対抗する海からの贈り物

矢澤 一良 著 2005.08.09 発行
ISBN 978-4-89295-604-X C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


加齢にともなう脳の衰えを防ぐ

美肌、目と脳を守るアスタキサンチン

脳は活性酸素が発生しやすい
脳は、その重さが体重の2%程度にすぎないのに、エネルギーの消費量は全身の20%近くを占める大食漢です。
体内でエネルギーを生み出す際、必ず副産物として活性酸素が発生することは1章で述べました。したがって、エネルギー消費量の多い脳内では、絶えず多量の活性酸素が生み出されていると考えられます。
しかも、脳の約半分は、活性酸素の標的となりやすい脂肪でできているため、脳内の抗酸化力を常に高い状態に保っておくことはきわめて重要です。

脳細胞は加齢とともに減る一方
とくに、体内で産生されるSODなどの抗酸化酵素が減りはじめる中年以降は要注意。脳は、約120億の神経細胞でできていますが、その数は成人後に増えることはなく、30代を越えた頃から1日10万個単位で減っていくといわれています。
年をとるにつれて「記憶力が悪くなった」「思考力が低下した」と感じるのはこのためです。
そうした自然の老化による脳の衰えに加えて、活性酸素の攻撃により、大量に神経細胞が死滅するようなことがあれば大変です。神経細胞は、他の組織の細胞と違って、一度死滅すると再生することは極めて希であり、脳はどんどん萎縮していきます。そのまま放置すれば、脳の老化が急速に進み、最終的に認知症(痴呆症)に発展する例もでてきます。

血液脳関門を通過できる
脳の老化を最小限に抑えるには、抗酸化作用のある食品を日常的に補っていくことが望まれます。
とはいえ、抗酸化作用をもつ成分のなかでも、脳のなかで効果を発揮するものはごく一部に限られます。
15頁で述べたように、脳の入り口には「血液脳関門」という関所があって、多くの抗酸化成分はここではじかれてしまうからです。
そうしたなか、この厳しい関所を難なく通過し、脳のなかで強力な抗酸化作用を発揮するのが、アスタキサンチンです。脳の老化を最小限に食い止めるうえで、アスタキサンチンの役割はきわめて重要といえます。


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