肌と心と体の健康増進に包接トコトリエノール

真のスーパービタミンEの機能性アップで高まる効果

寺尾 啓二 著 2012.11.27 発行
ISBN 978-4-89295-817-5 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


トコトリエノールが主役へ

肌と心と体の健康増進に包接トコトリエノール

八種類の構造類似体
ビタミンEには、トコフェロールとトコトリエノールの二種類がありますが、実は、この二つの分子構造は非常に似通っています。しかし、側鎖に三つの二重結合を有するという点で、T3はTPとは分子構造が異なり、機能性も変化します。こうしたものを、互いに構造類似体と呼びます。
さらにTPとT3には、それぞれメチル基の位置によってα、β、γ、δの四種の構造類似体が存在するため、ビタミンE全体では八種類となります。その中でメチル基置換度の低いγおよびδ―T3をデスメチル(脱メチル)T3と呼びます。
これらの構造類似体間では、分子構造の違いにより、体内での働きに強弱の差が生まれたり、備える機能性に差異があったりすることが分かっています。




類似体 R1 R2 R3
α CH3 CH3 CH3
β CH3 H3 CH3
γ H3 CH3 CH3
δ H3 H3 CH3

活発化したトコトリエノール研究
これまでビタミンEといえば、α―トコフェロールを指してきました。その理由は、α―TPがほかの構造類似体に比べ、体内に多量に存在し、最も生理活性が高いと考えられてきたからです。一方、T3に関する研究論文は、ビタミンE研究の一%未満にすぎないというデータもあります。現在でも、ビタミンE製剤の主成分は、α―TPです。
ところが最近、トコトリエノールの有用性に多くの注目が集まるようになり、研究も進んで、数多くの成果が報告されるようになりました。
その中で、TPの持つ問題点も、幾つか明らかになってきたのです。


その他の各種ビタミン関連書籍