肌と心と体の健康増進に包接トコトリエノール

真のスーパービタミンEの機能性アップで高まる効果

寺尾 啓二 著 2012.11.27 発行
ISBN 978-4-89295-817-5 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


紫外線から皮膚を守り美白効果も

肌と心と体の健康増進に包接トコトリエノール

強力に皮膚を保護するδ―T3
先に、T3は皮膚の角質層に優先的に蓄積されると述べましたが、これは、T3が三つの二重結合を持つ多価不飽和側鎖を有するため、主に不飽和脂肪酸からなる二重膜である細胞膜を効率よく通過できることによります。
こうしたT3の中でも、とりわけδ―T3は、メチル置換基が少なく立体障害が小さいため、より深く皮膚に浸透でき、しかも一度酸化されても再生しやすい(還元体になりやすい)という特質から、最も強力に皮膚を保護します。

メラニンの合成を抑制する
有害な紫外線を吸収し、皮膚を防御する反応として、皮膚組織中のメラノサイトと呼ばれる細胞が、メラニンという色素を合成します。日光を浴びて皮膚が褐色に変化するのは、この色素のためです。
通常なら、メラニンは皮膚の新陳代謝であるターンオーバーにより、約二八日間で古い細胞とともに、アカとしてはがれ落ちてしまいます。しかし、ストレスや食生活の乱れ、疲労、睡眠不足などで新陳代謝が正常に行なわれなくなると、過剰なメラニンの沈着が起こり、シミやソバカスの原因となるのです。
このようなメラニンの合成を、δ―T3が抑制することが、以下のような試験からも分かっています。
Michiharaらは、B16メラノーマ(悪性黒色腫)細胞(メラノサイトがガン化したもの。メラニン合成細胞のモデルとしてよく用いられる)
を、それぞれ〇、一〇、五〇、一〇〇μMの濃度でのδ―T3存在下において二四時間培養し、細胞中のメラニン量およびチロシナーゼ活性を調べました。チロシナーゼは、メラニン合成に関与する酵素です。
その結果、δ―T3は細胞毒性を示すことなくチロシナーゼおよび、同じくメラニン合成に関与するチロシナーゼ関連タンパク質のTRP―1とTRP―2を減少させ、メラニン量も用量依存的に減少することが確認されました。
δ―T3は、シミやソバカスの予防・改善に極めて有効であり、美白作用も期待できるでしょう。







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