ルテインの発ガン抑制効果
ルテインに関しては多数の研究報告がなされており、肺ガンや子宮ガン、乳ガンなどに有効であることが示唆されています。
私たちの研究グループでは、ラットを使って、大腸ガンに対するルテインの作用について調べてみました。
ACF(大腸の前ガン病変である異形腺窩巣)の阻害率がリコピン以上に高数値を示していることがうかがえます。
ゼアキサンチンの発ガン抑制効果
ゼアキサンチンや、次に紹介するフコキサンチンは、あまり馴染みがなく、今後の研究がまたれる対象ですが、私たちは、このゼアキサンチンが皮膚ガンに及ぼす作用に関して実験を試みました。
その結果、かなりの確率で腫瘍の発生が抑えられているのがわかります。
フコキサンチンの発ガン抑制効果
十二指腸ガンのマウスにフコキサンチンを投与したところ、阻害率五五%という高い数値を得ることができました。
また、皮膚ガンに対しても、強力な抑制作用のあることが判明しています。
アスタキサンチンの作用の多様性
海洋生物に含まれているカロチノイドの一つにアスキタサンチンがあります。β‐カロチンの十倍以上の強力な抗酸化作用と、その多様性からсXーパーカロチノイドともいわれています。
アスキタサンチンはエビやカニ、サケなどに含まれている赤色色素です。
私たちは、このアスタキサンチンを使った同様の動物実験で、肝ガンや大腸ガンに対する顕著な抑制効果を認めることができました。
また、血液脳関門を通過できることが示唆されており、脳や目に直接働きかけられる貴重な抗酸化物質と考えられています。
抗ガン作用のほかに期待されるアスタキサンチンの効果は次の通りです。
@脂質の酸化防止
A悪玉コレステロールの低下
B動脈硬化の予防と改善
C糖尿病性白内障の進行抑制
Dストレスなどによる免疫力低下の抑制
F紫外線による皮膚の酸化損傷防止
G炎症の抑制
アスキタサンチンは、最近の研究で、藻類の一種であるへマトコッカスに豊富に含まれていることが明らかになっています。大量調整も可能な安全性に優れた多機能を持つ天然素材として今後、注目を集めるカロチノイドの一つといえます。
カロチノイドによる大腸前ガン病変の抑制(ラット実験)
実験群 | 匹数 | ACF数 | 阻害率 |
コントロール群(標準) | 6 | 6.9 | |
ルテイン投与群 | 6 | 40 | 42% |
リコピン投与群 | 6 | 43 | 38% |
ゼアキサンチンによる皮膚発ガンの抑制(マウス実験)
実験群 | 匹数 | マウス1匹当た りの腫瘍数 | 阻害率 |
コントロール群(標準) | 15 | 1.6 | |
ゼアキサンチン投与群 | 14 | 0.9 | 44% |
フコキサンチンによる十二指腸発ガンの抑制(ラット実験)
実験群 | 匹数 | マウス1匹当た りの腫瘍数 | 阻害率 |
コントロール群(標準) | 21 | 1.1 | |
ゼアキサンチン投与群 | 20 | 0.5 | 55% |