各種カロチノイドはガン・眼病対策に効果あり

特性の合わせ技でガンや白内障・黄斑変性症に勝つ

西野 輔翼 著 2003.02.14 発行
ISBN 4-89295-433-0 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


動植物に広く存在するカロチノイド

各種カロチノイドはガン・眼病対策に効果あり

緑黄色の野菜や果物に多く含まれる
カロチノイドという言葉を耳にしたことがあるかとは思いますが、実際にどのようなものか、ご存じの方は少ないのではないでしょうか。
カロチノイドは正式には(学術用語としては)、カロテノイド(carotenoids)といわれています。これは自然界に広く存在している色素群の一つで、現在までに六百種類以上が見つかっています。
このうち、私たちが日常の食事から摂取しているものが数十種類、そして血液中などから検出され、さらに特性などが明らかになっているものは十数種類に及んでいます。
こうしたカロチノイドは緑黄色野菜や果物に多く含まれています。野菜や果物などの鮮やかな色彩の多くのものは、このカロチノイドがもとになっています。
たとえば、ニンジンの橙色は、β‐カロチンやα‐カロチンによるものです。また、赤色の野菜や果物の代表であるトマトやスイカ、これにはリコピンというカロチノイドが含まれています。

脂溶性で酸化されやすい
カロチノイドは大別すると、酸素を含む炭化水素カロチノイドの「カロチン」と、酸素を含まない「キサントフィル」とに分けられます。
カロチンの代表としては、β‐カロチンやα‐カロチン、リコピンなどが、また、キサントフィルの代表としては、ルテイン、ゼアキサンチン、アスタキサンチン、クリプトキサンチンなどが挙げられます。
主だったカロチノイドは、いずれも、「共役二重結合」が重複した長鎖状ポリエン構造をもっており、脂溶性で酸化されやすい性質をもっています。

体内で生成できない
カロチノイドは緑黄色野菜や果物に存在していますが、動物にも多く含まれています。たとえば、鳥の羽や動物の皮膚、微生物などにも豊富に含まれています。
ただし動物の場合、カロチノイドを体内で生成することはできません。私たち人間を含めて、動物は自分の体内でカロチノイドを合成することができないのです。
そこで、植物や微生物が生成したカロチノイドを食物を通して摂り入れているのです。それによって、生体を維持したり、皮膚の色などを形づくったりしているのです。

ビタミンAもカロチノイドから
私たちは日常、数十種類のカロチノイドを食物から摂取しているわけですが、次のカロチノイドは、ビタミンAの供給源となっています。

・β‐カロチン
・α‐カロチン
・β‐クリプトキサンチン
・γ‐カロチン

これらはカロチノイドの中でも、プロビタミンAカロチノイドと呼ばれ、私たちの体内で生成できないビタミンAに変換されるのです。


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