活性酸素に攻め勝つアスタキサンチン

がん、心臓病、脳梗塞、糖尿病から美肌づくりまで

板倉 弘重 著 2001.09.19 発行
ISBN 4-89295-410-1 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


糖尿病との闘いを有利にする

活性酸素に攻め勝つアスタキサンチン

糖尿病で恐ろしいのは合併症
膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが十分に役目を果たさなくなると、食事でとった糖をうまく利用できなくなって血液中に糖がどんどん残留しはじめます。その結果、慢性的に血糖値が上昇し、やがて尿にまで糖がでてくるようになるのが糖尿病です。
糖尿病が恐ろしいのは、さまざまな合併症を招く点にあります。血糖値の高い状態が続くと、末梢の血管がボロボロになって白内障や網膜症、腎症、神経障害が引き起こされる一方、動脈硬化が急速に進んで心筋梗塞や脳梗塞につながる危険性もでてきます。
実は、こうした糖尿病に基づく諸症状が起こる背景にも、活性酸素が深く関わっています。糖尿病になると、体中で活性酸素の産生が高まることがわかっていて、これが合併症を引き起こす原因となっているのです。

食事療法にぜひ加えたい
アスタキサンチンは、糖尿病対策にもってこいの食品です。
まず、体の中に活性酸素が増えると、インスリンを分泌する膵臓の細胞(β 細胞)が障害されやすくなりますが、それを防ぐうえでアスタキサンチンの抗酸化力が役立ちます。
また、すでに糖尿病を患っている場合でも、日常的にアスタキサンチンをとっていると、活性酸素によって引き起こされる合併症の予防に有効です。
実際に、糖尿病に対するアスタキサンチンの効果については、日本女子大学の動物実験で示されています。
糖尿病を発症させたネズミを二つのグループに分けて、一方にだけアスタキサンチンを与えながら四ヵ月にわたって飼育した結果、対象群に比べて、アスタキサンチンを投与したネズミは、次のような変化がみられたといいます。

M血糖値の上昇が明らかに抑えられた
N肝臓中の抗酸化酵素(スーパーオキシドディスムターゼ)の活性の低下が明らかに抑えられた
O肝臓中の過酸化脂質の量が明らかに抑えられた
P血液中のコレステロールと中性脂肪の増加が抑制傾向にあった
Q白内障の進行が明らかに抑えられた

食事療法にアスタキサンチンをうまく取り入れていけば、糖尿病との闘いを有利に進めることができるでしょう。


その他の各種ビタミン関連書籍