活性酸素に攻め勝つアスタキサンチン

がん、心臓病、脳梗塞、糖尿病から美肌づくりまで

板倉 弘重 著 2001.09.19 発行
ISBN 4-89295-410-1 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


有用な生物資源「カロチノイド」

活性酸素に攻め勝つアスタキサンチン

自然界を彩る天然の色素
自然界が生み出す代表的な色素の一つに「カロチノイド」と呼ばれるものがあります。
カロチノイドは、黄色〜橙色〜赤色を呈する脂溶性の色素で、私たちの身の回りでは、例えばニンジンの橙色、トマトの赤色、トウモロコシの黄色、さらには熱帯魚の美しい体色などもそうです。
自然界で作られるカロチノイドの量は膨大で、年間約一億トンにのぼります。その大半は、植物の葉やプランクトン、藻類に蓄積されていますが、人や陸上動物、魚介類なども食物連鎖を通じて随時カロチノイドを体に取り込んでいます。

話題のベータカロチンもこの仲間
天然のカロチノイドは、現在までに約六五〇種類見つかっています。これらは「カロチン類」と「キサントフィル類」に大別できますが、このうち最初に健康効果が示されたのは、カロチン類の代表であるベータカロチンでした。
ベータカロチンは、すでに一九三〇年代からプロビタミンA活性(体内で一部がビタミンAに変化する働き)が知られ、一九八〇年代になると、強い抗酸化力をもつことも明らかとなって、がんをはじめ各種疾患に対する予防効果が続々報告されるようになりました。
一方、同じカロチノイドでありながらキサントフィル類の健康効果は、最近までほとんど知られていませんでした。
しかしここ二〇年ほどの研究で、キサントフィル類の中には、ベータカロチンと同様にプロビタミンA活性をもち、なおかつベータカロチンを上回る抗酸化作用を示すものが存在することが分かってきました。その筆頭にあげられているのが、アスタキサンチンです。

代表的なカロチノイドの仲間

名称 豊富な食品




ベータカロチン 緑黄色野菜
アルファカロチン
リコペン トマト、スイカなど







アスタキサンチン サケの筋肉や卵(イクラ、スジコ)、甲殻類(エビ、カニ)の殻や身、タイ、ニシキゴイ、金魚などの体表
ツナキサンチン 魚類(ハマチ、マグロなど)の体表
フコキサンチン 海藻
ゼアキサンチン トウモロコシ、ホウレンソウ、鶏卵
ルテイン 緑黄色野菜、ホウレンソウ、鶏卵
カンタキサンチン キノコ、フラミンゴ、サケ、マス
カプサンチン 唐辛子、パプリカ


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