若返りとガン予防にビタミンE

成人病の温床「過酸化脂質」を抑制する

菅原 明子 著 1993.02.24 発行
ISBN 4-89295-317-2 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


細胞のガン化を防ぐビタミンE

若返りとガン予防にビタミンE

食生活とガン
日本人の死亡原因のトップはガンで、全体の約27%を占めています。ガンの中でも胃ガンが1位ですが、最近は乳ガン、肺ガン、大腸ガンが増えています。
日本人の食生活が欧米と同じく脂肪分を多く取るようになったことが一番の要因というのが一般的な見方で、そこには脂肪が酸化されてできる過酸化脂質との関係を見逃すわけにはいきません。

ガン発生のメカニズム
正常な細胞がガン細胞に変わっていくメカニズムは、次のように考えられています。
まず、@正常な細胞がある物質の影響によって、遺伝子に障害を持つ変異細胞になります(この段階をイニシエーション、あるいは変異誘発という)。
次に、A変異細胞が別のある物質の影響によってガン細胞化を促進します(この段階をプロモーション、あるいは発ガン促進という)。
最後に、Bガン細胞が増殖、転移していきます(この段階をプログレッション、あるいはガン進行という)。

発ガン性に関与している過酸化脂質
過酸化脂質は増殖しながら、細胞膜や遺伝子に障害を与え、その結果傷ついた細胞がガン化していくと考えられています。
それから、発ガン性物質には活性酸素を作る作用があり、活性酸素はガン化作用と関係があるといわれます。
つまり、過酸化脂質や活性酸素が、ガン発生に大きく関わっているのです。

発ガンを防ぐビタミンE
過酸化脂質の生成を抑え、活性酸素を中和させて、正常な細胞が傷つくことを防ぐようにすれば、ガン発生を防ぐことができます。
この働きをするのがビタミンEです。
ビタミンEにはガンの発生を防ぐ一定の効果があるのです。それを裏づけるものとして、ビタミンEの摂取量が多い地域ほどガンの死亡率が少ないという、アメリカの臨床研究財団の調査報告書があります。
ビタミンEのほかにも、カロチン(植物の中に含まれ、ビタミンAのもとになる物質)とビタミンCなどにもガン予防の効果があるとされています。


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