肌の弾力、疲労回復に包接コエンザイムQ10

「包接化」で安定性・吸収性・持続性に優れ効果アップ

寺尾 啓二 著 2009.05.24 発行
ISBN 978-4-89295-800-7 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


疲労回復と体力向上、糖尿病対策

肌の弾力、疲労回復に包接コエンザイムQ10

スポーツサプリとしても利用
細胞内のエネルギー産生を促進するCoQ10は、疲労回復や体力向上に役立つことから、体を酷使するプロスポーツ選手も利用しています。
もちろん、包接CoQ10ならより効果的ですが、CoQ10と同様にエネルギー産生に関与し、やはりビタミン様物質であるα―リポ酸をγ―CDで包接した包接α―リポ酸と、包接CoQ10との組合せなら、さらに大きな効果を期待できることが、ヒトや動物の試験で確認されています。

包接α―リポ酸とで持久力が向上
たとえば、次のマウスの実験でも、効果の増大が確かめられています。
マウス(体重30〜35g)を流水プールで疲労困憊になるまで遊泳させて、その限界遊泳時間を持久力の指標としたものです。 マウスを一〇匹ずつの遊泳能力が平均的に同じである六グループに分けました。
実験開始三〇分前に試料を水に溶解し、経口ゾンデを用いて1.0ml投与しました。投与一五分後に流水プールにマウスを入れ、遊泳時間を測定した結果、包接CoQ10投与群とその包接リポ酸併用群に摂取五日後から有意な遊泳時間の延長が見られ、摂取二二日後には遊泳時間は約三倍にまで延長されていました。
また、高校野球部の生徒30名による3000m走でも持久力の向上が確認されました。包接CoQ10と包接α―リポ酸の配合サプリメントを一ヵ月間服用し、服用前後の持久力走タイムを比較したところ、平均タイムは12分20秒から11分50秒にまで有意に短縮されました。




血糖値上昇の抑制効果もある
包接CoQ10+包接α―リポ酸+γ―CDの組合せには、糖尿病の改善に期待が持てます。
糖尿病では、異常な高血糖状態が続くと腎症、網膜症、神経障害などの併発症のリスクが高まりますので、血糖値の抑制が大切です。
α―リポ酸は「解糖系」で、ブドウ糖からピルビン酸への変化に関与するため、ヨーロッパでは抗糖尿病薬として使用されています。α―リポ酸の投与で解糖系が活性化されると血糖の利用が促進されるため、それに応じて血糖値の上昇が抑制されるからです。
加えて、α―リポ酸は、CoQ10やビタミンC、Eなどとともに、抗酸化ネットワークという、活性酸素を強力に撃退するための連携システムを構築する働きもします。
CoQ10も血糖の利用促進という点では、α―リポ酸と共通した働きを持つことから、包接CoQ10と包接α―リポ酸の組合せで摂取すれば、糖尿病の予防、改善に大きな相乗効果を期待できます。しかも、包接するγ―CD自体にも、食後の血糖値の上昇を抑制する働きがあるという研究報告もあります。


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