肌の弾力、疲労回復に包接コエンザイムQ10

「包接化」で安定性・吸収性・持続性に優れ効果アップ

寺尾 啓二 著 2009.05.24 発行
ISBN 978-4-89295-800-7 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


ひざの痛みや骨粗鬆症の改善

肌の弾力、疲労回復に包接コエンザイムQ10

変形性関節症による「ひざ痛」
中高年世代の多くの人を苦しめる症状の一つに、ひざ痛があります。そのほとんどは、加齢や肥満などが原因で、膝関節の軟骨が変形や磨耗する変形性関節症に由来しています。クッションの役割の軟骨がすり減り、関節の骨と骨とが直接こすれるようになるために、痛みが発生します。

軟骨の再生が見られ、ひざ痛が消失
包接CoQ10、ビタミンC、コラーゲンペプチド(吸収性を高めるためにコラーゲンを低分子化したもの)、グルコサミンの併用摂取により、磨耗した軟骨の再生が見られ、その結果、ひざや腰の痛みが消失することが明らかになっています。
関節痛に苦しむ男女三六人に、コラーゲンペプチド、グルコサミン、そして包接CoQ10とビタミンCを主成分とするサプリメントを摂取してもらったところ、その効果を体感する期間は、摂り始めて1ヵ月後がいちばん多く、摂取後一ヵ月までに、何らかの改善を体感する人が86%という高い割合を占める結果となりました。その理由は以下のように説明できます。
関節軟骨を鉄筋コンクリートでたとえると、鉄骨の部分がコラーゲンで、壁のコンクリートの部分がプロテオグリカンといえます。関節軟骨はコラーゲンと、コンドロイチン硫酸やヒアルロン酸など水分をたくさん引きつける働きのあるプロテオグリカンから成り立っています。
このコラーゲンとプロテオグリカンによって関節軟骨の強度、柔軟性、弾力性が適正に保たれ、ひざ関節がスムーズに動くことができるのです。
そこで、軟骨が再生され、ひざ痛が改善したのは、包接CoQ10が軟骨細胞を活性化して、軟骨生成の働きを促進するとともに、その軟骨の材料となるコラーゲンやグルコサミンが効率よく吸収されたためといえるでしょう。

骨密度が上昇した
骨粗鬆症は、老化と女性では閉経後のエストロゲン(女性ホルモン)の急激な減少などが原因で、骨密度が低下して骨がもろく折れやすくなる疾患です。
骨は、カルシウム、リンなどの無機質(六五%)や、水分(10%)、有機質(二五%)などから構成され、この有機質の約90%はコラーゲンです。繊維状のコラーゲンが絡み合った網のような構造体の隙間をカルシウムが埋める形で、骨は形成されています。 
そこで、骨密度が同年齢の平均値より低い骨粗鬆症の患者さん男女五人に、七ヵ月間毎日、次のサプリメントを七錠、併用摂取してもらいました。
150mgの包接CoQ10(CoQ10としては30mg)配合サプリメントと、独自に開発されたカルシウム製剤(カルシウムやコラーゲンペプチド、骨の形成を助けるビタミン類および乳化オリゴ糖などを含む)で、骨密度への影響を調べました。
その結果、摂取三ヵ月後くらいまではなぜか低下することが多く、その後上昇に転じ、六ヵ月後には五人全員の骨密度が同年齢の平均値まで改善された、というデータが得られました。
骨に十分なコラーゲンが存在しないと、摂取したカルシウムは吸着されません。骨密度が上昇するまでの約三ヵ月間に、包接CoQ10の活性作用とコラーゲンペプチドの摂取が、骨の繊維芽細胞のコラーゲン産生を促進したことで、その後、カルシウムの吸着が進み、骨密度が改善されたと考えられます。


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