諸病を招く活性酸素
体内での活性酸素の増加は、がん、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などの生活習慣病をはじめさまざまな疾患の発症に関与しているといわれます。また、肌のシミ、シワ、たるみなどを引き起こすこともわかっています。
活性酸素は非常に不安定な状態の酸素で極めて酸化力が強く、細胞膜や酵素、遺伝子などを酸化して障害を与え、諸病の発症や老化の進行などを招きます。
活性酸素はミトコンドリアでのエネルギー産生の際にも発生しますが、排気ガス、喫煙、激しい運動、ストレス、紫外線、食品添加物なども増加の要因となります。
こうした活性酸素による障害から体を守るために、SOD(スーパーオキサイドディスムターゼ)などの抗酸化酵素が体内でつくられますが、加齢とともにその合成能は低下してしまいます。そこで、抗酸化ビタミン(A、C、E、Kなど)や、フラボノイド、カロテノイドといった天然色素などの抗酸化物質を体外から取り入れなくてはなりません。
還元型による抗酸化作用
CoQ10は体内に取り込まれると、酸化型から還元型へと変化します。この還元型CoQ10は強力な抗酸化作用を持ち、活性酸素を消去するように働きます。それだけでなくビタミンEの働きを助ける役目もします。ビタミンCも、自ら活性酸素を消去するとともに、ビタミンEの働きを助けます。
このように、CoQ10とビタミンC、Eが連携して活性酸素からの攻撃を防止するような仕組みがつくられています。
CoQ10の多様な健康効果
これまで述べてきたように、CoQ10は、エネルギー産生作用、コラーゲン産生補助作用、抗酸化作用を有するため、心機能の強化、疲労回復や体力向上、低血圧や高血圧の改善、免疫力の向上、老化防止、自律神経失調症の軽減、ダイエット、美肌効果などが期待できます。
もともとCoQ10は医薬品でしたが、二〇〇一年より食品としての利用が認められるようになりました。