ロコモティブ症候群と美肌にアスタキサンチン

運動機能を高めて「健康寿命」を延ばし、美容にも

矢澤 一良 著 2010.09.01 発行
ISBN 978-4-89295-806-9 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


高齢者の「健康寿命」を延ばす社会へと

ロコモティブ症候群と美肌にアスタキサンチン

日本人の平均寿命は、世界のトップを走り続けています。男女合わせた平均寿命は83・02歳(男性79.59歳、女性86.44歳、2010年時点)。まさに世界に冠たる長寿国家といえます。しかし、長寿を手放しで喜べないのも事実です。平均寿命の延びにともなって、社会の高齢化が急速に進み、中高年者の病気が増加しているからです。

加齢につれて起こりやすい病気をいかに予防するか、これが超高齢社会の日本では喫緊の課題となっています。メタボリックシンドローム対策も、その重要な柱の1つです。
メタボリックシンドロームは、肥満に基づく内臓系・代謝系の病気です。2008年からはメタボ健診(特定健康診査・特定保健指導)もスタートし、国をあげてその予防と改善策が講じられています。

一方、年をとると内臓だけでなく、筋肉や関節、骨といった運動機能をつかさどる部位にも障害が起こりやすくなります。そこで最近は「ロコモティブシンドローム」(Locomotive Syndrome)という言葉もよく聞かれるようになりました。ロコモティブシンドロームとは、足腰などの運動器の障害によって要介護のリスクが高まる状態を指します。
内臓系の病気にくらべて、加齢にともなう運動器の衰えについては、これまであまり注目されてきませんでした。

しかし、本文で説明するようにロコモティブシンドロームはメタボリックシンドロームと並ぶ、寝たきりや要介護の主要な原因です。
また、ロコモティブシンドロームが進行すると、結果的に運動不足となってメタボリックシンドロームの要因になります。すなわち、ロコモティブシンドロームで寝こむことが循環器系に悪影響を及ぼし、脳梗塞や心筋梗塞のような高リスクの疾病につながっていくのです。

いずれの場合も、病気になってから治すのではなく、日頃から病気にならない生活を心がけることが先決です。すでに病気を抱えている人も、それ以上悪くならないように努力すれば、生活の質(クオリティ・オブ・ライフ)を高めることができます。
加齢にともなって心身の機能は衰えていきます。その結果として、内臓系や運動器系の病気にもかかりやすくなります。これは誰しも避けられないことです。

しかし、心身の老化のスピードを最小限に抑え、病気になる時期を寿命の間際まで延ばすことができれば、健康で若々しいまま天寿を全うできます。これが介護を必要としない「健康寿命(7ページ参照)」を延ばす最大の秘訣だと、私は考えています。

そこで私は長年にわたって、健康寿命を延ばす上で役立つヘルスフードの研究を続けてきました。ヘルスフードとは、健康効果の高い食品や食品成分のことですが、その中には、メタボリックシンドロームとロコモティブシンドロームの両方に効果を発揮するものがあります。アスタキサンチンはその代表です。またアスタキサンチンには、はっきりした美肌効果も体感できますので、健康な老後を過ごすアンチエイジングのための大きな一助となるでしょう。


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