各種ビタミンのはたらき

必要不可欠な“潤滑油”ビタミンの栄養的生理作用

吉田 勉 著 1996.12.23 改訂版 2003.03.12 発行
ISBN 4-89295-435-7 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


その他の症状に効くビタミン

その他の症状に効くビタミン

【高血圧】
高血圧の人に、ビタミンCを毎日二gずつ朝と晩の二回に分けて投与した研究で、血圧値の低下が認められています。

【糖尿病性の神経障害】
糖尿病性の神経障害に対しては、ビタミンB6の効果が期待されています。症状の発症後、すぐにB12(メチルコバラミン)を投与すると、手足のしびれや痛みなどの末梢神経障害のほか、発汗異常、立ちくらみなどの自律神経障害が改善されるケースがあるのです。

【ぜんそく】
ぜんそくの患者さんにビタミンB6を与えると発作の回数が減り、発作が起こっても軽くすむことが報告されています。

【風邪の予防】
風邪の予防には、ビタミンAとCの効果が多少期待できそうです。まずビタミンAには鼻や喉の粘膜を強化し、風邪のウィルスが体内に侵入するのを阻止するメカニズムが考えられます。一方、コラーゲン合成を高めるビタミンCは、細胞と細胞のつなぎめを強固にしてウィルスの侵入をはばみ侵入したウィルスが広がるのを抑える可能性があります。また、ビタミンCはウィルスそのものの活性を弱めたり、体の免疫力を高める働きも実験的に知られています。

【月経前症候群】
月経前症候群(鬱状態、頭痛、無気力、過敏症などの精神・神経症状や、むくみ、乳頭部膨張などの肉体症状)を訴える女性に、ビタミンB6を投与した結果、五0〜六0%の人に有効との報告が出ています。

【乾癬】
骨粗鬆症の治療に活性型ビタミンD剤を用いたところ、その患者さんの乾癬の皮膚症状がよくなったという報告があります。この効果は、活性型ビタミンD剤を含む軟膏でも得られることが示されています。

【美容効果】
ビタミンCのコラーゲン合成を高める作用は、肌のみずみずしさや弾力を保つうえで有効という考え方もあります。また、ビタミンCにはメラニン合成を防ぐ働きもあるので、シミ・ソバカス対策にも役立つと言えます。


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