こんな人にビタミンC

愛煙家・酒好き・ストレス過多の人から妊婦までの必須栄養素

菅原 明子 著 1993.02.24 発行
ISBN 4-89295-316-4 C2177 文庫サイズ 48ページ 本体 250円(税抜)


脂肪代謝とストレス緩和の役割

こんな人にビタミンC

コレステロールとビタミンCの関係
血中のコレステロール濃度が高くなると“粥状動脈硬化”を招きやすくなります。
そこで、余分なコレステロールを体の外に排泄するためには、コレステロールを胆汁酸にしなければなりません(コレステロールは、肝細胞から作られる胆汁のなかの胆汁酸によって可溶化される)。この胆汁酸を作るためにはビタミンCが必要です。
ビタミンCが欠乏すると、肝臓を通る血液からコレステロールを正常に分離できなくなり、血中のコレステロール濃度を下げられなくなります。それだけでなく、胆汁酸が減少するということはコレステロールの析出がされやすくなり胆石形成の原因にもなるとされます。
臨床的にも、コレステロール値の高い患者にビタミンCを投与すると、その値がはっきりと低下することが認められています。

ストレスとビタミンCの関係
私たちの体はストレスを受けると、腎臓の上にある副腎という内分泌器官の副腎髄質からアドレナリン、そして副腎皮質からは副腎皮質ホルモンを分泌してストレスに対抗します。
ビタミンCは副腎皮質ホルモンの材料となり、いつでも必要に応じて合成できるよう副腎にストックされています。
また、ストレスを受けると血圧とコレステロール値が上昇しますが、これはストレスによって副腎皮質ホルモンが大量に生産されるためにビタミンCが消費され、その分ストックがなくなってコレステロール排泄に回らなくなるからです。
このようにストレスとコレステロールの関係は、ビタミンCを媒介にして密接に関連しています。
現代はストレス社会。ストレスのない生活など考えられません。また、食生活に目を転じてみると、高脂肪食の傾向が強くなっています。このようなことからも、ビタミンCの果たす役割がますます重要になったといえます。


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